念願の!バルテュス写真展に行ってきました。

小さな部屋の壁にびっしりと貼られた、
間違い探しのような、少しずつ違うポラロイド写真。
(一瞬、恥ずかしながら、ええー、これだけ?と思ってしまった…ちょっとイメージと違ったのです)
とても見応えのある、すばらしい展示でした。

モデルとなった、アンナ・ワーリの手記の一部(筆記OKだったので書き写しました)。

作業は、いやになるほどゆっくりとしかすすみません。
それだけの時間をかけて、取るに足らないような細部の変化があったにしても
私の目にはどの写真も同じに見えました。
その一方で、バルテュスが単に同じ写真を撮っているのではなく、
私を観察して心の中に像を作り上げるために、じっくりと考える必要がある事にも気付いていました。
あとでアトリエで、その像をカンバスの上に再現するのです。

杖をつき、足を引きずりながらモデルに近寄り、シャッターを切るバルテュス氏が見えるようでした。
「少しずつ」違う何百枚もの写真群は、命が消えかかったバルテュスの、「あと少し、あと少し」という執念のようです。
その目線と自分の視覚が重なったとき、なんだかぞわりと堪らない気持ちになりました。